卵の価格はだいぶ上がりましたね。
すでにご存じの通り、卵が足りないんです。でも、消費者には「高くなったわねぇ」くらいの感覚なのかもしれません。
しかし、業界では前年実績の50%~80%の出荷制限がかけられていたり、休売となったりで、どうやっても従来通りの供給ができない状態になっています。
その業界とは「業務用食品」です。加工用原料としての卵が入ってこず、冷凍食品をはじめとする鶏卵加工品が供給できなくなっています。大手の例を挙げると、キユーピーでは冷凍の厚焼き玉子類が3月から休売。ニチレイフーズのかに玉などは出荷規制。チャーハンの一部も卵が入っているので入荷待ち。
冷食メーカーも自分たちで卵を割っているのではなく、液卵というすでに溶いてある冷凍の卵を使用するのですが、それらはキユーピーから供給されているため、そこを止められると製造できないという状態になっているのです。
なぜここまでひどい状況なのかというと、国の方針も関係しています。
話を鳥インフルエンザによる殺処分のところにさかのぼりますが、卵を産んでくれるにわとり「採卵鶏」の数は国内に1億4000万羽いるとされています。その採卵鶏から生産される国内の卵は250万トン。この辺のデータは農林水産省のホームページでも確認することができます。
そして今シーズン、鳥インフルエンザによって淘汰された数は1470万羽を超える報告となりました。(2月末)
つまり、約10%の採卵鶏がいなくなっているのです。すると生産数も10%の25万トンが不足することとなります。
10%の不足が、どうして製品となると50%近い影響となるのか?
それは、市場別の内訳と国の方針が関係します。
250万トンのたまごの内訳は
⤵⤵
125万トン:家庭用市場(10個パックのたまごなど)
75万トン:業務用市場(5kg、10kgといった箱玉)
50万トン:加工用原料市場(製菓や加工食品用として原料になる分)
このような感じで、5:3:2 の内訳になっています。
約200万トン(家庭用+業務用)は基本的に殻つきのまま販売されますが、この部分を国が守っているんです。
「守る?」とは、約200万トンの市場については、優先的に供給をしなさい!という通達を業界団体(生産者)に出して、10%減となった卵はこの200万トン市場に向けられているのです。
という事は、25万トンの減少分はどこから削られるのか???
それが50万トンの市場である「加工用原料市場」なわけです。
分母が小さいですから、全体で10%減少という25万トンですが、加工用原料市場からしたら50万トンのうち25万トンの減少となるわけで、そのダメージは50%減となるんです。
この内訳と、内部で行われている生産者からの供給の流れが見えていないうちは、「10%減なのにそこまで影響出る?」なんて疑問になってしまうんです。
安価で良質なたんぱく源である「たまご」のありがたさを実感しつつ、今の状況をどうやって乗り切ろうかと奔走中です。
力技になりますが、あるうちに仕入れるってことも一部では通用しますが、大手は出荷規制をしており、すでに実績数に合わせてそれ以上の注文はすべて欠品とする対応を始めています。
身の回りの外食店やコンビニの商品、スーパーの総菜売り場なども様変わりしていることにお気づきの方もいるかもしれません。
食品業界、特に業務用の鶏卵加工品についてはこんな状態があるんです。
しばらくは続くとみられています。
今回初めて動画に自分を出しました。満を持して3秒くらい(笑
だれも待っていないって話ですが、思いきりましたね。
出張の際のショート動画です。応援よろしくお願いします!
https://youtube.com/shorts/WdMvINS03tE
2023年03月06日
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