2020年05月10日

「しみこむ」を多少科学してみた

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季節は夏に向かい、温かい煮物とは縁遠くなってくるころですが、だしのきいた煮汁がしみ込んだ煮物はいつだっておいしい。


この煮物に欠かせない「味がしみ込む」とは、どんな現象なのかをこの時期に科学してみた。


煮物は「水の利点」を生かした料理

煮物は食卓によく並ぶ定番のおかず。なおさら田舎の実家とかいうと常にあるようなイメージです。里芋や蓮根などの根野菜の煮物がおいしいし、寒くなると、風呂吹き大根やおでんも食べたくなってくる。味がよくしみた煮物はご飯にもぴったりですねぇ。


煮物とは、だしに酒やしょうゆ、みりん、砂糖、塩などを加えた汁の中で、野菜や肉、魚などの食材を煮込む料理。食材は煮汁の中でやわらかくなり、うまみたっぷりの煮汁をしっかりとしみ込ませる。口に入れれば、煮汁のうまみと食材の味が一体となった風味がふわっとぶわっと口の中で広がる。


加熱調理には「焼く」以外にも「ゆでる」「煮る」「蒸す」など、いろいろな方法があるが、「ゆでる」「煮る」「蒸す」は水を媒体にして、食材に熱を伝える方法。多めの水で加熱することを「ゆでる」、味も染み込ませることを「煮る」、また水蒸気で加熱することを「蒸す」という。


水は100℃以上にならないので、温度を調節しやすく、焦げつかせることもない。それに、対流が起こりやすいので食材をむらなく加熱できるという利点がある。また、水にいろいろな調味料を溶かすことができる。さまざまな利点があるのだ。


煮物は、こうした水の利点を生かした料理といえる。調味料を溶かした煮汁の中で加熱し、食材をやわらかくすることと調味を同時に進ませられるからである。


味が食べ物に絡んだりしみ込んだりするのは、煮汁の中の成分である塩や砂糖、アミノ酸などが、食品組織の内部に移動し分散するからである。ここでは「濃度の異なる物質が同じ濃度になろうとする現象」がはたらいている。実は、これが煮物の味付けのとき、調味料を加える順番やタイミングで味が変わる要因のひとつとなるのである。


煮物の味付けの基本の「さ・し・す・せ・そ」

みなさまご存知の「さしすせそ」は加える順番を表すキホンの「キ」。「さ」は砂糖、「し」は塩、「す」は酢、「せ」はしょうゆ(せうゆ)、「そ」は味噌を指し、この順番で調味料を加えると風味よく仕上げることができるといわれてる。


酢は煮過ぎると酸味が飛んでしまい、同様にしょうゆや味噌も煮過ぎると香りや風味が変化しまう。そのため、酢やしょうゆ、味噌は後に入れる。砂糖を塩より先に入れるのは、砂糖のほうが食材にしみ込む時間がかかるから。


煮物の調理では、野菜や肉など食材の組織にたくさん含まれている水分に、煮汁の成分が溶け込んでくる。しかし、食材の細胞膜は、一部の成分は通し、他の成分は通さない「半透膜」なので、もともと自由に移動できるのは水だけだ。そのため、煮汁の成分を溶け込ませるのは容易ではない。


しかし、加熱すると組織が壊れて細胞膜の半透性がなくなり、煮汁の成分が移動できるようになる。食材中の水分と調味液の間には濃度差があることから、一定の濃度になろうとするのだ。これは「拡散現象」とよばれ、このときの移動速度の目安を「拡散係数」という。


転じてSNSでの情報にも使われる考え方でもあったりするようだが、汎用的ではないか、、、、


拡散係数は、物質の種類や温度、水分の粘性、分子の形や分子量などに左右される。異なる調味料を同時に入れると、多くの場合、相互に拡散速度を遅らせることになる。また、異なる成分の間では、拡散係数は分子量が大きいほど小さくなる傾向がある。たとえば、塩(分子量58の塩化ナトリウム)と砂糖(分子量342のショ糖)の拡散係数を比べると、分子量の小さい塩のほうが拡散係数は大きく、砂糖に比べて約4倍の速さで拡散する計算になる。塩より先に砂糖を入れないと、甘味がしみ込みにくくなる。


このようなわけで、調味料を加える順番が問題になるのである。


また、「魚は沸騰させてから」「野菜は水のうちに」というキホンもある。


煮魚では、調味料を先にすべて入れ、煮汁を沸騰させてから魚を入れる。これは、うま味を逃がさず、また身が締まって固くならないように短時間で仕上げるためである。沸騰した煮汁の中では、熱によって魚の表面のタンパク質がすばやく固まり、魚のうま味成分を含んだ肉汁が流れ出るのを防ぐことができる。


また、煮汁の量が多いと魚からのうまみ成分の流出が増えてしまうので、煮汁はなるべく少ないほうがよい。そこで、落し蓋を使うと、煮汁が少なくても蓋を伝わって魚の上にまで回り、全体に味を付けることができる。


こうした知識を今年の冬まで覚えておけっていうのは酷なものです。どこかにアウトプットしておくか忘れてしまうかして、とりあえず美味しい料理に創意工夫を凝らしてしてみてください。




自宅で過ごす時間が増えた割に、調理をする時間は変わらない私、、、、こだわった料理でもつくってみなければいけないですねえ
posted by なーたのうた at 10:50| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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