2017年03月01日

初めての黒字化。30年の厳しい経営

人手不足によるトラック便は深刻な状況に陥っています。物量が増加しても人員でカバーできるなら売上アップで嬉しいばかりですが、特に宅配業界はひどい事になっています。


そんな環境の中、日本貨物鉄道(JR貨物)の鉄道事業が好調なのです。この原因が先にあげたトラック業界の人員不足による流れも大きく影響しています。遂にJR貨物の鉄道事業は2017年3月期に初めて黒字化する見通しを発表。4月に国鉄の分割民営化から30年。製造業の海外移転などにより長く厳しい経営が続いていたのですが、ここにきてトラックから鉄道へ輸送を切り替える「モーダルシフト」の波に乗り、成長モードに突入したんです。


 「現在100件の案件を追いかけている。想定以上の反響だ!!」なんて新聞の記事にもありました。営業統括部長の取締役の方のコメント。10人足らずの部隊が新規顧客を掘り起こし、すでに50件程度の案件を獲得していると言います。


需要は着実に伸びてきているのです。3月にはトヨタ自動車向けに自動車部品を運ぶ専用列車を、従来の1日1往復から2往復に増やしたり好調ですね。同社の生産子会社の岩手工場(岩手県金ケ崎町)で新型多目的スポーツ車(SUV)「C―HR」の生産を始めたことに伴う需要の取り込みに成功したのです。


さらに、1月にはアサヒビールとキリンビールが鉄道による共同輸送を本格的に開始。激烈なシェア争いを繰り広げているライバル同士でもトラックから鉄道にシフトをする事に関して手を組んだと言う事。


なぜこのような「鉄道人気」になったのか?それは、配送料は距離などによって異なるため、必ずしも鉄道輸送が安くなるとは限らないのですが、人手不足が原因でゆがみ始めているトラック業界。トラック運転手の有効求人倍率は2倍超。トラックが調達できないリスクが高まる状況で、荷主がまず考えるのは「確実に製品を届けられる輸送手段」なのです。


JR貨物はトラックを一部代替できる利を訴え、顧客を増やしてきたわけです。


こうした積み重ねで17年3月期に鉄道事業で収支トントンの計画となるです。田村修二社長は15日の記者会見で「達成できるのではないか」と改めて語った。実現すれば部門別収益を公開した07年3月期以降で初めてとなります。


それだけではなく、経営の効率化に向けた自助努力も大きいのでしょう。自然減を中心にスリム化し、現在の従業員は単体ベースで5600人。これは民営化当初より半減しています。リストラで大改革!って事でないところが優しいですね。また、従業員の創意で空コンテナを運ぶ無駄を減らすなど、業務の効率を高める工夫を積み上げてきました。


そんなこんなの元国鉄もついには「物流企業としての総合力」をアピールしていきます。


東京都品川区の「東京貨物ターミナル駅」に300億円超をかけ、21年までに計22万平方メートルの大型物流施設を整備するのだそうです。複数企業が入れるようにし、様々なニーズに応えて鉄道輸送につなげる予定。


もちろん課題はたくさん。線路を持たないJR貨物は、JR旅客各社に特殊な算定法を使う事で、割安な使用料を支払って借りています。国鉄の分割民営化の際に決まった仕組みですが、将来にわたって続くかはわかりません。経営の自立に向け、さらに本業を磨き続けるのでしょう。


物流と言ってもいろんな物流があります。陸だけ見ても壮絶な環境には変わりありません。とにかく「人」の問題が先を見ても重要視されています。


これからどうなっていくのか?物流業界に身を置く自分の周りにもそうした問題が多々出てきています。一つ一つ解決させていく事で、自然と環境にあった形に変化していくんだろうなと思います。



posted by なーたのうた at 19:39| Comment(0) | その時のトレンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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